2015年2月15日(日) レポの続編です。 スノーシューのトレースに合わせステップを踏んで登っていくが だんだん息が上がり我慢の急登だと自分に言い聞かせる。 そこへドードーという音が舞い込んだ。 何かと思い周囲を見渡すと上から雪の塊が五月雨のように一斉に転げ落ちて来る。 一瞬雪崩かと焦ったが、初めての光景で唖然とした。 恐らく頂上付近で強風が雪を蹴散らしその雪がダルマ式に膨らんで 転げ落ちたのではないかと思われた。 自然の成せる技ではあるが、やはり自然に成すすべはない。 高度が上がるにつれ風が強くなってきた。 風に煽られそうになるとその度に静止して過ぎるのを待った。 風のお陰でガスが一瞬にして切れ自分の居る場所を教えてくれた。 木々が見え始め頂上が近いと判った。 天候は相変わらず不安定だが太陽がガスを照らすのか周囲が明るくなる。 1年ぶりのワカン装着だが、ここまで来るとコツも掴め小刻みにステップを踏んで 難なく登ることができた。しかし、スノーシュー装着者は登るのが厳しいのか 途中でアイゼンに付け替えていた。 視界悪くひたすらステップを踏んで登っていくとどうやら頂上らしきところに立った。 台風並みの風が吹いている。ここはどこだ。見覚えもなく足跡を頼りに進むことにした。 トレースも新雪が覆って消え始めていたが幸いなことに前方に人影を発見。 皆、視界が悪く方向が定まらない様子。 風は益々ひどくなり自ら倒れようとも風に支えられ倒れない程の強さだ。 もっと恐怖なのは強風で飛んでくる雪粒が顔に当たって痛くて目が開けられない。 まさかゴーグルが必要とは思ってもなかった。判らないまま進んでいくと薄っすらと小屋らしきものが現れた。 小屋はまるで幽霊屋敷だった。 急いで中へ入ると人が一杯で入る隙はなく諦めて山頂へ向うことにした。 脅威的な風は止むことはなく体感温度は下がる一方、気力で進むしかない。 山頂へ到着するとかじかんだ指先でカメラのシャッターを押そうとするが感覚がない。 何度かチャレンジしてようやくシャッターがきれる状態。そんな時にある爺さんが 何も言わずにコンデジをさし出してきた。察するに記念写真を撮れといっているようだ。 強風と寒さで自分のカメラでさえ大変なのに・・・と思いつつ面倒臭いので気合で撮り終えた。 しかし、何の礼もなかった。何なんだ!! 再び小屋へ戻っても満員だったが少し空くのを待った。 じっと立っているだけでも温かく感じ体を休めることが出来た。 ようやく一人分のスペースができても昼食とも行かずザックからチョコパンを取り出し頬張った。 その時、ある男性が入ってきて何やら探している様子。どうやら置いていた手袋がなくなっているらしい。 極寒の中、手袋もなく下山するのは死に匹敵するくらい重要なこと。しかし、いくら探しても出てこず 男性は諦めて小屋を出て行った。時間の経過とともに人は増える一方なので下山することにした。 トレースを頼りに再び戻る。先程よりは視界もよくなり始め辿ってきて位置を確認できた。 すると、取り付いた場所が登山道に繋がるところでなく大きな雪屁ができるところ、 すなわち伊吹山正面左にルートを取って登ってきたようだ。 下山開始です。登るより下る方がより慎重になる。滑れば加速がついて一機に落ちていくからだ。 ワカンで下ると踵から足を下ろして体を支える必要があり支えきれず滑ってしまうと一機に 体ごと流されていく危険があるのでアイゼンの方が踏ん張れて安心。でもワカンで下りるのだ。 見た感じの斜度はこんな感じです。 頂上を見上げると青空です。もう少し遅かったらと悔やむばかり。 これも運しだい。ようやくモノクロの闇黒の世界から解放された気分だ。 アイゼンを装着している登山者はガツガツ下りていくのを尻目にワカン装着の自分は 焦らず滑らずを基本に慎重に下りていく。 さっきまでの悪天候はどこにいったのだろうか。日も射しはじめ下りてくる登山者も楽しそう。 ボダーもスキーヤーも滑り始めた。 慎重に下るとは言え下るのは早いもの。雪山らしき天候に恵まれ六合目避難小屋までたどり着いた。 風も収まり暫く休憩することにした。頂上で予定していた無線交信ができなかったので 標高は低く無線環境としてはよくないが6合目でチャレンジすることにした。 続く・・・ #
by mido811
| 2015-02-21 11:24
| 伊吹山
|
Comments(0)
2015年2月15日(日) 伊吹山レポ編です。 近江長岡駅を8:07に出発する登山口行きバスに乗車するには JR高槻駅に5:44の京都行に乗車しなければならない。 とすると起床は4:40となった。 珍しく時刻通りに起床。 コンビニでパンとコーヒーを調達し予定の電車に乗り込みパンを頬張った。 京都では長浜行の普通電車に乗り換え米原駅に向った。 米原でJR東海の大垣行きに乗り換えたところ車窓に雨粒がつき始めた。 滋賀県に入った途端雲行きが怪しかったが恐れていたことが起こった。 近江長岡駅の改札を出ると小雨が降っていた。 行くか戻るか思案のしどころだが、駅で待つ登山者らしき男どもは そんなの関係ねぇとばかりにバスに次々と乗車していくので釣られるように乗車した。 バスの中では雨が止むのをひたすら祈った。 登山口に到着すると雨はさほど強くなる様子はなく三ノ宮神社のトイレに駆け込んだ。 身支度を済ませ登山口に向うと登山者が登山届を書いていた。 今までだったら無視していたのだが御嶽の一件から届けを出すようにしている。 登山届けをポストに入れ登山口に到着。 ネットで調べると1合目までは泥道で川のようと書いてあった。 ここは、焦らず慎重に行かねば滑れば大変なことになる。 登山口の階段をゆっくり上がり登山道に取り付くと想定通りの泥道だった。 泥水が溜まるところは避け両脇に残る雪を選んで登っていく。 すると急にサーという音とともに霰が降り始めた。 未だ雨でなくてよかったと思いつつアウターで頭を覆う。 1合目に到着するまでに霰が降ったり止んだりの繰り返しが続いた。 1合目に到着すると側にある民宿の軒で登山者がアイゼンやワカンを装着していた。 しかし積雪量と過去の経験から暫くはツボ足になると判断しアイゼンでなくワカンを着けることにした。 丁度、準備を終えたスキーの人達が雪が降りしきる中を出発していった。 1年ぶりにワカン装着。歩いた感じは上々である。 緩やかな坂を登るのだがワカンのお陰かけっこう楽に感じる。 それにツボ足の跡が多数見受けられたが雪をザクザク踏みしめ進んでいった。 2合目の標識を過ぎ暫く進むと完全にホワイトアウトとなった。 このように視野0の世界では、目の前に見えるトレースだけが頼りとなる。 これぞ山の恐怖。 ひたすらトレースを見誤らないよう集中して進む。 すると見覚えのある木に出くわした。確か桜の木だったはずだ。 丁度、満開のときに登ったことがあり背景には伊吹山の山容が見える場所だ。 記憶が正しければこの先には3合目のトイレのはず。 ホワイトアウトの登山道を進んでいくと急に人影が現れた。 向こう側には下山する人達だろうか薄ほんやり人影を捕らえた。 こういう状況では人に出会うことが一番ホッとできるのだ。 一人では無いことを実感し更に進んでいくと記憶通り3合目のトイレを捉えた。 残念ながらトイレは冬季使用禁止になっていた。 その代わりにトイレの横に屋根付きの休憩所が出来ており多くの人達が 行動食を口にしたりアイゼン等に履き替えていた。 自分はいつもの「草大福」とテルモスに入った温かいお茶で休憩をとった。 やっぱり大福は腹持ちがいい。 血流が体を駆け巡ったところで再び登山道に戻る。 真っ直ぐに伸びた登山道の先には4合目になる。 しかし、ホワイトアウトの状況は益々悪化しはじめた。 4合目の標識を右に入ると坂道になり巻くように進むと茶店のある5合目だ。 しかし、茶店は雪で埋もれ屋根だけが見えていた。トレースを頼りに進んできたが 新雪がトレースを覆ってその先がパッタリと消えていた。 トレースを探すため茶店を一周しているとラッキーなことに登山者がやって来たので後を追うことにした。 すると予想していた方向とは違う方向にトレースが現れ無事復活することができた。 暫くトレースの通りを進んでいくと薄っすらと建屋が見えた。 6合目の避難小屋だ。 周囲に人影がたくさん見えたので再びホットできた。 小屋に入ると大勢の登山者がいたため入るのを諦めてザックからアメを一つ舐めた。 甘いものを口にすると落ち着くもので再び登山道に戻り格闘開始。 この辺りから急登になるので本来ならばアイゼン装着のところだが 幸いなことに先行者がスノーシューでトレースをつけてくれたお陰で ワカンでも十分に登ることができた。先行者に感謝、感謝。 以後、俗にいう我慢の急登である。 ひたすら雪や風に耐え一歩一歩登っていくのだった。 次回に続く。 #
by mido811
| 2015-02-19 22:54
| 伊吹山
|
Comments(2)
2015年2月15日(日) 今年も伊吹山へ行ってきました。 過去数回この時期に登っていますが、なんと言ってもこの時期にしかできない直登が魅力です。 言ってみれば、それだけ積雪と入山者が多くトレースもしっかり付いているということです。 それに無法地帯というか登山者だけでなくスキー、クロカン、ボーダー はたまたピッケル持って雪山訓練と色んな分野の猛者が集まってきますしね。 BBCびわこ放送の天気予報では、当日は曇りのはずでしたが現地に入ると早くも小雨。 祈る気持ちで入山してみるといきなり霰に見舞われ高度を上げると 今度はホワイトアウトに台風並みの暴風です。 そこへ雪粒が顔を直撃し痛いめに遭いながらも何とか山頂に到着しました。 山頂では無線で遊ぶつもりでしたが、立ってられないくらいの暴風で 無線どころではなく写真を撮るのも命がけでした。 下山を始めて程なくすると天候は好天に向い結局6合目にある避難小屋付近で CQを出して7局と交信することができました。 終わり良ければ全てよしではありませんが、最後は青空バックに真っ白い伊吹山を 拝むことができましたので、登りでの苦労は帳消しになりました。 しかし、今日はアメと鞭的な雪の伊吹山の怖さと楽しさを一機に味わう 正しく山修行となりました。 この詳細は、後程レポにて・・・ #
by mido811
| 2015-02-16 22:46
| 伊吹山
|
Comments(0)
2015年2月14日(土) 今日はバレンタインデー。 チョコいっぱいもらいましたか?男性諸君! まっ、それはいいとして・・・・ 昨日、帰宅途中に立ち寄った某登山用品屋さん。 アイゼンの売り場で一枚の張り紙が目に留まった。 そこには、「アイゼンの刃を研ぎましょう」と書かれていた。 そう言えばアイゼンの刃なんか研いだことがない。 改めて自分のアイゼンを取り出して刃をみてみた。 う~ん 気が付かなかったが使い込んで見事にま~るく削れている。 これではどうみても雪にグサっと刺さるはずが無いわ。 そしたら何とか鋭利とまではいかないものの後方と比べたら尖ったでしょ。 効き目は別としてガッチリ雪を掴んでくれそうな気分になってきました。 早く試してみたいなぁ みなさんも一度メンテしてみはったら。 それより10本爪、出っ歯アイゼン欲しいなぁ~ #
by mido811
| 2015-02-14 21:57
| 山道具
|
Comments(0)
2015年2月11日(水) 山岳移動用のオリジナルQSLカードを作成しました。 以前から構想はありながらも時間が無くなかなかできませんでしたが 今回休日を利用してようやく作成いたしました。 先ずは「綿向山移動」と先週の「ポンポン山移動」からリリースです。 裏面はHAMLOGの「無地縦定義ファイル」をベースにマイナーチェンジして CQ誌に載っていた交信証印ファイルを追加しました。 今月末にはJARL、連盟へ発送いたします。 拙いカードですが、QSO各局どうかご笑納くださいませ。 #
by mido811
| 2015-02-12 00:27
| アマチュア無線
|
Comments(0)
|
カテゴリ
全体 ひとりごと 高槻 摂津峡 神峰山寺 ひろしま 福岡単身生活 散歩 アマチュア無線 camp 山道具 カメラ 一万人の第九 ポンポン山(大阪府) 竜王山(大阪府) 天保山(大阪府) 交野山(大阪府) 岩湧山(大阪府) 剣尾山(大阪府) 大和葛城山(大阪府) 歌垣山(大阪府) 鴻応山(大阪府) 金比羅山(大阪府) 明ケ田尾山(大阪府) 小和田山(大阪府) ダイトレ(二上山・葛城山)(大阪府) 生駒チャレンジ登山(大阪府) 京都一周トレイル(京都府) 愛宕山・地蔵山(京都府) 天ケ岳(京都府) 小塩山(京都府) 半国山(京都府) 長老ケ岳(京都府) 深山(京都府) 大江山(千丈ケ嶽)(京都府) 赤石ケ岳(京都府) 峰床山(京都府) ナッチョ/天ケ森(京都府) 湯谷ケ岳(京都府) 伊吹山(滋賀県) 武奈ケ岳(滋賀県) 蓬莱山(滋賀県) 綿向山(滋賀県) 霊仙山(滋賀県) 堂満岳(滋賀県) 赤坂山・三国山(滋賀県) リトル比良(滋賀県) 金勝アルプス(滋賀県) 大御影山(滋賀県) 蛇谷ケ峰(滋賀県) 比良山系<縦走>(滋賀県) 横山岳(滋賀県) 御池岳(滋賀県) 比叡山(大比叡)(滋賀県) 竜ヶ岳(滋賀県) 鍋尻山・高室山(滋賀県) 雨乞岳(滋賀県) 皆子山(滋賀県) 百里ケ岳(滋賀県) ブンゲン/射能山(滋賀県) 八経ケ岳(奈良県) 大普賢岳(奈良県) 行者還岳(奈良県) 釈迦ケ岳(奈良県) 金剛山(奈良県) 三輪山(奈良県) 稲村ケ岳(奈良県) 山上ケ岳(奈良県) 吉野山(奈良県) 観音峰山(奈良県) 大天井ケ岳・四寸岩山(奈良県) 竜ヶ岳(奈良県) 兜岳・鎧岳(奈良県) 白屋岳(奈良県) 熊ケ岳(奈良県) 荒神岳(奈良県) 水ケ峰南峰(奈良県) 両佛山西峰(奈良県) 六甲山(兵庫県) 武庫川渓谷(兵庫県) 須磨アルプス(兵庫県) 白髪岳(兵庫県) 氷ノ山(兵庫県) 大野山(兵庫県) 段ケ峰・千町ケ峰(兵庫県) 千ケ峰(兵庫県) 三嶽(兵庫県) 三室山(兵庫県) 植松山(兵庫県) 大船山(兵庫県) 高岳(兵庫県) 鉢伏山(兵庫県) 蘇武岳(兵庫県) 大台ヶ原(三重県) 藤原岳(三重県) 高見山(三重県) 三峰山(三重県) 明神平・桧塚(三重県) 御在所山(三重県) 鎌ケ岳(三重県) 大洞山・尼ケ岳(三重県) 霊山(三重県) 学能堂山(三重県) 生石峰(和歌山県) 和泉葛城山(和歌山県) 龍神岳(和歌山県) 陣ケ峰(和歌山県) 弁天岳(和歌山県) 薄峠(和歌山県) 荒島岳(福井県) 赤兎山・大長山(福井県) 部子山(福井県) 野坂岳(福井県) 三十三間山(福井県) 銀杏峰(福井県) 姥ケ岳(福井県) 白山(石川県) 伊吹北尾根(国見岳)(岐阜県) 金糞岳・白倉岳(岐阜県) 能郷白山(岐阜県) 貝月山(岐阜県) 蓼科山(長野県) 霧ヶ峰(車山)(長野県) 鷲ヶ峰(長野県) 三峰山(長野県) 美ヶ原(長野県) 剣山(徳島県) 三嶺(徳島県) 石鎚山(愛媛県) 丸笹山(徳島県) 塔丸(徳島県) 伊予富士(高知県) 瓶ケ森(高知県) 大山(鳥取県) 扇ノ山(鳥取県) 蒜山三山(上・中・下)(岡山県) 恐羅漢山(広島県) 深入山(広島県) 道後山(広島県) 三瓶山(島根県) 富士山(静岡県) 宝満山(福岡県) 脊振山(福岡県) 井原山(福岡県) くじゅう連山(大分県) 由布岳(大分県) 祖母山(大分県) 阿蘇山(熊本県) 韓国岳(鹿児島県) 北ア・槍ヶ岳(表銀座) 北ア・立山 北ア・白馬三山 北ア・雲ノ平・水晶・鷲羽 北ア・蝶ケ岳・常念岳 北ア・鹿島槍・五龍岳 北ア・五郎~×笠縦走 北ア・笠ケ岳 北ア・乗鞍岳(剣ケ峰) 北ア・薬師岳 中ア・恵那山 中ア・御嶽山 中ア・木曽駒ヶ岳・空木岳 南八ヶ岳 南ア・白峰三山 南ア・甲斐駒ケ岳 南ア・仙丈ケ岳 未分類 お気に入りブログ
excite以外のLink
最新のコメント
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||