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雨男、でかい、深い南アルプスを縦走!-3
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       ↑間岳の麓より富士山を遠望

8/23: 6:38北岳山荘発→7:11中白根岳山頂着→8:16間岳山頂着→9:45農鳥小屋着→11:31農鳥岳山頂着
     →12:20大門沢下降着→15:40大門沢小屋着(テン泊)

今日は今回の山旅のクライマックス。
早朝3時には人の声が響き4時起床。
未だ寝足りない体にムチ打って外を見ると富士山がこちらに微笑んでいる。
登山者は皆、朝日を浴びながら富士山にカメラを向けている。
食事を済ませ撤収を始めるが強風に阻まれ手こずりながら完了、テントのペグを抜くと
強風のせいで全部ねじ曲がっていた。ジュラルミンペグではこんなものなのか?

雨男、でかい、深い南アルプスを縦走!-3_f0073587_21123658.jpg雨男、でかい、深い南アルプスを縦走!-3_f0073587_2112493.jpg

寒さと強風の中を中白根岳に向け歩き始めると先程の富士山が
赤色から青色に変わり山並みがシルエットのように写り幽玄の世界になった。
見上げると中白根岳には多くの登山者の姿が見え至近距離かと思えるが登ると
息が上がり調子がでず、小刻みに呼吸してみたり息をおもっきり吐いて吸うを繰り返して
何とか中白根岳に到着。到着すると単独男性に「あそこに見えるのは槍ですか?」と訊いてきた。
正直、うっとうしいなと思ったが、西側に見える中央アルプスを見て昨年登った木曽駒ケ岳を思いだし
槍の位置関係が何となく掴めたので「多分、あそこは槍でへこんでるのがキレットだと思いますよ」と答えた。

雨男、でかい、深い南アルプスを縦走!-3_f0073587_21145100.jpg雨男、でかい、深い南アルプスを縦走!-3_f0073587_21141836.jpg

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中白根岳から中央アルプス方向を見ると雲海が広がっていた。次に向かう間岳を見ると
北岳以上に大きく見えた。稜線に沿って歩き始めると富士山がずっと見守ってくれるかのように
秀麗な姿を見ながら歩く。登山道は縦走する者、北岳から間岳をピストンする者が入り交じり
賑わう中、先程の単独男性とほぼ同じペースで歩くが登りになると数歩登っては立ち止まり
を繰り返しようやく間岳山頂に到着。

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間岳からは次に向かう農鳥岳と山荘の赤い屋根が見え、下りへの安堵感に反し一気に下山するもったいなさ
が交錯する。砂礫を下り間岳を見上げるとその大きさと深さを実感し侮れない存在であることに気付く。
間岳ではじめて単独男性と会話し大門沢でテン泊だと分かり以後行動を共にすることにした。
この男性は京都から昨晩北岳肩の小屋でテン泊し早朝4時に出発し一日で3,000m峰を三座踏破することになる。
赤屋根の農鳥小屋に着くと何か食べたいと思い尋ねるが食事はなくカップラーメンやカップはるさめしか
なかったのでスポーツドリンクと農鳥岳の山バッジを購入。ザックを置くとハエのような虫が
気持ち悪くなるくらいたかり追い払うのが大変だった。

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農鳥小屋で大休憩し最後の農鳥岳を目指して出発する。
小屋から見上げると農鳥岳は非常に急峻でそびえるように立ち
これが最後と自分に言い聞かせ急登を登るが数歩進んでは息を整えて登っていると後から8人のパーティーと
28人のパーティが追いかけるように登ってきた。一旦、ピークに辿り着くと稜線沿いに農鳥岳の頂上を確認。
見た感じ平坦に見える登山道だが、実際にはガレ場や岩場が多く結構危険な個所も多い。
その中を凄いスピードでさっきのパーティーが再び迫り、追われるように農鳥岳に到着。
山頂では引き続き富士山が微笑み槍・穂が一望できた。

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単独男性の他、ほぼ同じペースで行動している若い夫婦ずれがいたのだが、農鳥岳から奥さんが
先行し旦那が後を追うという状態になった。我々はそれを見て旦那が相当へばっていたので
不甲斐なさから奥さんが怒って置き去りにした?と勝手に想像し農鳥岳を下って大門沢の下降点に
到着した。下降点から大門沢小屋まで1,200mを一気に下るが、さっきの旦那がへばって動けない様子
目には涙を浮かべていたのでやはり何かあったに違いないと確信は深まるばかりだった。

雨男、でかい、深い南アルプスを縦走!-3_f0073587_21254141.jpg雨男、でかい、深い南アルプスを縦走!-3_f0073587_21255559.jpg

下降点からは岩を飛び降りるような段差がきつい下りが延々続き周囲もハイマツ帯から針葉樹に変化
気温も上がり汗が噴き出た。疲れからか足を滑らせ顔を強打するところだったが幸いにもザックが守ってくれ
大事には至らなかった。大きな沢に近づき木橋を渡る所に出会すが、渡るには危険と判断し
下りて沢を飛び越えた。下ること約3時間、広葉樹が広がる森を抜けると大門沢小屋に到着。
続いて2組のパーティーも追うように到着し寂れた小屋は一気に人で溢れ長い一日が終わった。

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by mido811 | 2009-09-05 21:30 | 南ア・白峰三山 | Comments(0)


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