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雨男、五郎に双六、笠はなし-1
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【北アルプス/折立-黒部五郎-三俣・双六・新穂高縦走山行】
9/15 15:20名神高槻バス停⇒19:35富山駅前着(富山地鉄ホテル泊)
9/16  6:25富山駅前(バス)⇒8:10折立着⇒非難小屋⇒折立キャンプ場(幕営)

9/17  8:23折立発⇒10:32三角点⇒12:34五光岩⇒14:18太郎平小屋⇒15:00薬師峠キャンプ場(幕営)
9/18  6:40薬師峠キャンプ場⇒7:05太郎平小屋⇒7:14太郎山分岐⇒9:02神岡新道分岐
    ⇒9:12北ノ俣岳着⇒10:12赤木岳⇒11:33中俣乗越⇒14:13黒部五郎山頂着
    ⇒16:40黒部五郎小舎キャンプ場(カール経由)
9/19 7:00黒部五郎キャンプ場⇒9:05黒部乗越⇒9:40三俣巻道分岐⇒10:45三俣蓮華岳着
    ⇒12:45双六分岐⇒14:02双六岳山頂着⇒14:55中道分岐⇒15:37双六小屋キャンプ場(幕営)
9/20  6:40双六小屋キャンプ場⇒6:40花見平⇒8:40弓折岳⇒9:35鏡平山荘⇒11:05シシウドケ原
    ⇒12:17秩父沢⇒13:03小池新道入口⇒13:24わさび平小屋⇒13:51笠新道登山口
    14:38林道ゲート⇒14;46新穂高ロープーウェイ⇒16:03(高山行バス)⇒17:35高山駅
    18:55JR高山発(名古屋行特急ひだ)⇒21:34JR名古屋(新幹線)⇒22:15JR京都
    22:35JR高槻

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9月15日(日)、16日(月)
とうとうこの日がやって来た。
しかし、初っ端からバスチケットを会社へ忘れるというアクシデント発生。
3年というブランクを感じさせる出来事に追い討ちをかけるように台風が襲来だ。
13:30名神高槻バス停へ自宅からタクシーで向う。
名神高速は事故渋滞らしく全線で車が止まっている。バス停には用を足しに
来る者やナビで確認したのか近くのコンビニに買出しへ向うものが次々に車が停車。

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しかし肝心のバスは一向に姿を見せず。
今までの経験から2-30分は平気で遅れてくるので慌てはしないが
さすがに1時間を超えると何も情報が無いことに不安を覚える。
ひょっとしたら通り過ぎたのか?(そこまでゴケちゃいないよ)
結局、1時間10分遅れで富山行きの阪急バスは到着した。

乗車して大津辺りまでは雨が降り続くが八日市を過ぎ福井の手前までは
小康状態が続いたためまさかだが淡い期待を持つ。
だが、福井県に入って以降は見事に淡い期待は消され日本海沿いになると
いかにも台風の雨風となって富山に到着するとどうなるのかだろうと心配になった。

バスは運転手さんの段取りの良さで空いているPAでトイレ休憩を済ませ
70分遅れを30分遅れまでに縮め富山市内に入った。
終着の富山駅に到着すると今までの雨風がウソのように止んでいて
今回の山旅が幸運に恵まれるという確証というより思い込んだ。

富山には駅前にある富山地鉄ホテルに宿泊。
部屋に入るやNHKのデータ放送の雨雲レーダーに釘付けになる。
現地の予報では明日は13:00くらいまで雨が降るものの
ピークは10時くらいで以後は小康状態になるというもの。
その夜はテレビをつけっ放しにして就寝。

さて、登山当日16日(月)がやってきた。
窓にはたたきつけるような雨が・・・。
天気予報では大雨洪水、土砂崩れ等々の警報が目白押しだ。
これではバスは運休かと思っていた。
駅前のバス乗り場へ急ぐと何と既にバスが待機し
バスの車掌が予約者リストをチェックしながら乗車を促していた。

自分を含め乗車はたったの5名。
1-2名を除きベテランっぽい風貌の登山者ばかり。
こんな時に来るのはよっぽど変っている。
バスも折立への林道が通行止めでないという理由から通常運行するらしい。
こちらもまた変ってる。
登山者の汚れを嫌ってかオンボロバスだが、運転手はベテランのようで
手馴れた運転でガンガン進み定刻よりも早く折立に到着した。

雨は予報とおり時間の経過と共に強くなりはじめた。
一旦、折立の非難小屋へ向かい降雨のピークである10時まで待つことにした。
しかし、自分と埼玉から来たKさん以外は姿がなくそのまま登ったと見られる。
小屋には、下山者が次々と駆け込んで来る。
富山までタクシーは16,000円程度かかるので乗車できる人数でグループをつくり
下山して来るのだった。当然、山の状況はその人たちを見れば一目瞭然だ。
全身ぬれネズミで、靴を脱げば水が一気に流れ出る。
過去、白馬縦走の時に台風を経験をしているので正直同じ目には遭いたくない。

ポケットラジオで台風情報を収集すると京都の桂川が氾濫している?らしい。
これだけでも尋常でない状況が察知できた。
北陸では金沢市内の川が氾濫しかけているようだが、よくバスが走ったもんだと改めて感心する。
ピークの10時を過ぎ雨は小康状態になるどころか風も雨も逆に強くなり始めた。
ラジオの情報では台風が日本海側に停滞している秋雨前線を刺激し今日いっぱいは
雨になると予報が変わった。

最初、埼玉のKさんと雨が続けば非難小屋で一泊もありだねと言っていたが
冗談がどんどん本気になってきた。
そこにデンジャラスな知らせが入った。
バスを富山まで運行するので非難小屋の鍵を閉めるから出て行って欲しいといわれる。
ここは管理人がいない代わりにバスの運転手が鍵を管理しているのだ。

この非常時によくそんなことが言えたもんだ。
だったら何のための非難小屋なのだ?と目が訴えていたのだろう。
その運転手は「気の毒だから富山から折り返して帰って来るまで空けておく」と言ってくれた。
と言っても富山行きのバスの出発時刻14:00までだが・・・。

相変らず天候は一向に変わらない。
12:30をまわりバスが富山を折り返して帰ってきた。
そこへ関係者か12:00現在累計降水量が70mlを超えたことを告げにきたようだ。
ついでに80mlが制限降水量らしくそのときは林道を通行止めにするらしい。
ということは、14:00に出発するバスは微妙になる。
13:30再び関係者が来て80mlを超えたことを告げにきた。
バスや下山する車は、国交省の事務所で待機になるらしい。
おまけに非難小屋は閉鎖し我々は追い出されることになった。

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さて、どうする。
しかし、埼玉のKさんはするどかった。
既に先読みし次に非難する場所を確認。ついでにテント場も確認していた。
移動先はテント場のトイレである。
中には腰掛けられそうな長椅子、入口にはシャッターが完備していた。
暫くすると、どこからか松本から車できたという登山者が現れた。
事情を説明すると我々を気遣うかのように山の話で盛り上がり
あっという間に16:00を過ぎていた。
16:30先程の天候が小康状態になりやがて雲が切れ始め青空がのぞく。
17:00をまわると今度は日が差し始め周囲を明るく照らした。


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松本から来た登山者は自分の車に戻り
我々は、芝生でフカフカの折立キャンプ場に幕営準備に取り掛かった。
それからも下山者はいたが、80mlの降水量が直ぐに減少するわけでもなく
結局、国交省の事務所に連れて行かれた。


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もちろん我々は、被害もなく折立キャンプ場で安らかな夜を迎え
明日に備えることとなった。

・・・続く。
by mido811 | 2013-09-23 20:46 | 北ア・五郎~×笠縦走 | Comments(0)


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