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美都温泉から再び深入山へ part4
芸北方面から10tトラックが2台続けて来た。
チェーンを装着した音がしない?ノーマルで来たのだろうか?
三段峡側出口に一旦停車しドライバーが何やら話始めた。
要は、坂を下りられるかどうか?のようだ。流石の彼らも躊躇している様子。
でも20-30分後には意を決したのか行ってしまった。

雪が止み、軽自動車がこちらを快調に追い越していった。行けるのか?
「一か八かやってみっか」と誰かが背中を押すように車を動かしゆっくりと
坂を下りていった。慎重に、慎重にゆっくりと・・・
下りきった所の信号を轍沿いに左折すると、今まで以上の積雪であることが
わかるのと、恐らく放置されたであろう車が数台止まっている。恐怖だ!

再び、雪が大雨が降るかのごとく襲ってくる。
もう引き返せない。何が何でも忘れ物をの一心、まるで宗教だ。
ようやく深入山入口に辿り着いたが、入口は雪が積もっていたので
レインコートを着用、登山靴に履き替えランタン片手に先程までいた所へ向かった。
真っ暗の闇の中、ランタンと足跡だけが頼りだ。恐怖心なんか全くない。
恐らく忘れ物をした場所を足で雪を蹴散らし探すが一向に見あたらない。
(後で見ると、一部分だけ盗掘のように荒らされているはずだ。)
何で??これ以上の捜索は無意味と諦め引き返すことに。

車には既に相当雪が積もっていた。
車をUターンさせるが、前輪が空転し全く進まない。困った!
何回かトライしてようやく戻れる状態になり来た道をゆっくり引き返しはじめた。
信号にさしかかり右折すると急な登坂になる。この車で登れるだろうか?
経験がないので想像がつかない。でもやるしかねぇー

ギアを1速にしゆっくり登り始める。うまくいってるぞ!
これなら何とかなるか!頂上まであと数十メートルだ。
その瞬間、前輪が空転しアイスバーン状態に。ハンドルがくるくる廻る。やばい!
思わずブレーキを踏む。
一旦バックして、アイスバーン状態の所を避けて進もうとするがそこも空転。
アイスバーンとなっている所を持ってきた「まな板」で叩き割ろうとするが歯が立たない。
これを1時間位繰り返しただろうか?雪は一層強く降り轍が埋まっていく。
「もう、あかん」思わず「家に帰りてー」と大声で叫ぶ始末。
最後にもう一回トライしてダメだったら腹を決めて坂の途中で一夜を明かそうと決心。

ギアを1速にしてゆっくりアクセルを踏み込む、これまでは進む瞬間大きな障害物
に当たるように進まなかったが、奇跡的に動いたのだ。不思議だ!進んでいる。
あっという間に頂上につきホットする間もなく、トンネル目指して走り出した。
このトンネルも長湯は無用とばかり恐怖も消え長い下り坂をゆっくり、ゆっくりと
さっきの10tトラックが着けたであろう轍沿いに進んでいく。
「気を緩めるな」と言い聞かせ、慎重に慎重に下りていく。

三段峡側の雪は進むにつれ小康状態となり、ようやくチェーン着脱場まで辿り着いた。
三段峡を目標にゆっくりと進む。時刻は既に午前1時をまわっていた。
三段峡の看板が見えた時、思わず「命を拾った」と口づさんでいた。
そこから戸河内ICへは順調に走ることができ、そのまま山陽自動車道高坂Pまで
一気に走り抜け車中泊となった。
「天国と地獄」とはこういうことを言うのだろうか?
家族に感謝!先祖に感謝である。
by mido811 | 2006-03-29 00:15 | camp | Comments(0)


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